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写真に写った「お口ぽかん」と夜のいびき
学校行事の写真を見返して、くちびるが開いたままの表情に気づく。夜は寝息が大きく、朝は鼻声。こうした様子が重なると、口呼吸や歯並びへの影響が気になります。この記事では、家庭での見方、顎や歯並びとの関わり、歯科と耳鼻咽喉科の選び方を整理します。写真の一場面だけで決めつけず、普段の様子を記録してから相談するのがおすすめです。
この記事の要点まとめ
- 唇の開きやいびきは写真だけで判断せず、起きているときや睡眠中の様子を記録して相談に役立てましょう。
- 口呼吸と顎・歯並びの関連は報告されていますが、鼻の状態や舌の動き、骨格なども関わります。
- 鼻づまりやいびきは耳鼻咽喉科、歯並びや食べ方は歯科へ相談し、鼻が通りにくいときは口を閉じる練習を控えましょう。
くちびるが閉じにくい子どもは、口呼吸をしている?

写真でくちびるが開いていても、それだけで口呼吸とは言い切れません。起きているときと寝ているときの様子を合わせて見ておくと、受診時に伝えやすくなります。口呼吸と顔や顎の発育との関係は研究で報告されていますが1、家庭での観察は診断ではなく、相談の材料づくりと考えてください。
起きているとき、くちびるの開き方はどう見る?
見るのは、話したり食べたりしていない「安静時」です。テレビや読書、宿題に集中しているときに、力を入れずにくちびるが閉じているかを確かめます。閉じると顎の先にしわが寄る、すぐ開いてしまうといった様子もメモしておきましょう。1回ではなく、数日から数週間くり返し見られるかが目安です。
いびきや朝の鼻づまりも一緒に記録したほうがよい?
はい、一緒に残しておくと役立ちます。いびきは毎晩か、風邪のときだけか。寝ている間に口が開いているか、朝の鼻づまりが続いているか。こうした前後関係が、鼻の通りにくさを考える手がかりになります。
ポイント
寝ている間に呼吸が止まっているように見える、苦しそうに息をしている場合は、記録を待たずに医療機関へご相談ください。
口呼吸の特徴に見えても、別の理由はある?
あります。鼻づまりのほか、舌が下の歯の裏に下がっている、口周りの筋力が弱いなど、背景は一つとは限りません。アデノイド(鼻の奥のリンパ組織)や扁桃の大きさとの関係も含め、見た目だけで原因を決めずに鼻と口の両方について医師にご相談ください。
口呼吸が続くと、顎の成長や歯並びは変わる?
研究では、口呼吸と子どもの顔面骨格の発達や不正咬合との関連が報告されています1。ただし、口呼吸だけで将来の歯並びが決まるわけではありません。 鼻の状態、舌・くちびるの働き、もともとの骨格も関わるため、お子さまごとに見ていく必要があります。
舌とくちびるの位置は、歯の並ぶ場所とどう関わる?
歯は、内側から舌に、外側からくちびるや頬に押され、そのバランスの中で並ぶ位置が決まっていくと考えられています。安静時に舌が上顎に触れていると、上の歯列を内側から支える力(舌圧)が働きます。口が開いて舌が下がると、この支えが弱まりやすくなります。
口呼吸による上の歯列の狭さや、口蓋(上顎の天井)の深さへの影響については、研究で見解が分かれています2。関連があっても、すべてのお子さまに同じ変化が起こるとは限りません。
今の歯並びだけで、矯正が必要か決められる?
今の歯並びだけでは決められません。生え変わりの進み具合、歯が並ぶスペース、噛み合わせ、顎の成長の方向を合わせて確認します。
「鼻づまりが治れば歯並びも自然に整う」と考えられがちですが、口呼吸を和らげる介入が下の前歯の傾きを整える方向に働く可能性については、根拠が限られています3。反対に、口が開いているからすぐ矯正、というわけでもなく、成長途中では経過を見ながら判断することも少なくありません。
家で口を閉じる練習を始めてもよい?
鼻づまりやいびきがあるうちは、口を閉じさせる練習より先に、鼻で呼吸しにくい理由を確かめるのがおすすめです。家庭でできるのは「観察と記録」まで、と考えておくと迷いが減ります。
鼻が詰まっているとき、口テープは使ってよい?
鼻で息がしにくい状態での口テープは控え、先に医療機関へご相談ください。鼻が通っていないまま口をふさぐと、寝ている間に呼吸しづらくなるおそれがあります。
あいうべ体操などのトレーニングも、鼻の通りを確認してからのほうが無理なく続けられます。呼吸の通り道への処置後も歯列の変化には個人差があるとされ3、鼻と口の両方を見ながら進めることが遠回りに見えて近道です。
受診までに、どんな様子を書き留めておく?
スマートフォンのメモなどに、次の項目を短く残しておくと診察で伝えやすくなります。
- くちびるが開いている場面(テレビ、宿題、食事中など)
- いびき・鼻づまりの頻度と、風邪との関係
- 食べ方(あまり噛まずに飲み込む、音を立てて食べる)
- 飲み込むときに舌が前に出るか
- 指しゃぶりや頬杖などの癖
姿勢や噛む回数を変えるだけで歯並びが整うとは限りません。記録は、原因を一緒に探すための材料として役立ちます。
いびきと歯並びが気になるとき、どこへ相談する?
鼻づまりやいびきが目立つなら耳鼻咽喉科、くちびるの閉じにくさに加えて歯並びや食べ方が気になるなら歯科が相談先です。両方が気になる場合は、受診しやすいほうで記録を見せ、必要に応じてもう一方にも相談する流れで構いません。
| 気になる様子 | 主な相談先 |
|---|---|
| 鼻づまりが続く、毎晩のいびき、寝ている間の呼吸 | 耳鼻咽喉科 |
| くちびるの閉じにくさ、歯並び、食べ方・飲み込み方 | 歯科 |
| 両方が重なっている | 受診しやすいほうから始め、もう一方も検討 |
鼻づまりやいびきが続くなら、耳鼻咽喉科で何を伝える?
鼻の通りにくさが続いている期間、いびきの頻度、寝ているときの口の開き方を伝えましょう。呼吸が止まるように見える様子は、歯並びの相談を待たずにお伝えください。 アデノイドや扁桃の状態は耳鼻科で確認する内容です。
歯科では舌の動きや顎・歯並びをどう確認する?
くちびるや舌の安静時の位置、食べ方や飲み込み方、噛み合わせ、生え変わりを確認します。必要に応じて、歯科用CTやセファロ(頭部のレントゲン)、口腔内スキャナーで顎や歯列の形を調べることを検討します。
なお、歯を痛がる、泣くと顎が痛いと言う、奥歯に黒い点がある、歯ぐきに傷がある場合は、口呼吸と結びつけず別の症状としてお伝えください。
通院の見通しは何を聞く?
初回では、必要な検査、耳鼻咽喉科への相談の要否、口腔筋機能療法(MFT:口周りの筋肉の使い方を整える練習)や小児矯正を検討する条件、通院回数と期間の見通しを聞いておくと、仕事の調整がしやすくなります。
相談の際は、お子さまの成長に合わせ、歯並びだけでなく舌・くちびるの位置や呼吸も伝えましょう。現在の状態や今後の見通しについても、気になる点を尋ねておくとよいでしょう。
小児矯正(生え変わりの時期に行う第1期治療)は、多くの場合、公的医療保険が適用されない自費診療です。第1期治療の期間や装置の調整のための通院頻度には個人差があるため、医師にご相談ください。費用は装置料のほか、検査・診断料、毎回の調整料などを含む場合があり、金額や内訳は治療内容によって異なるため、医師にご相談ください。成長の状況によっては、永久歯がそろった後に本格的な矯正(第2期治療)が別途必要になり、追加費用がかかることもあります。当院での治療期間・通院回数・費用は、診察と検査のうえでご案内します。
小児矯正では、次のようなリスク・副作用が起こることがあります。
- 装置を付けた直後や調整後の歯の痛み・違和感
- 装置がこすれることによる口内炎や、頬・舌・歯ぐきの傷
- 慣れるまでの話しにくさ、食べにくさ
- 歯みがきがしにくくなることによる、むし歯や歯肉炎のリスクの増加
- まれに、歯の根が短くなる(歯根吸収)こと
- 装置の使用時間が守れない場合や成長の個人差により、予定どおりに進まない、治療期間が延びること
- 治療後に歯並びが元に戻ろうとする「後戻り」
取り外し式の装置は毎日決められた時間の使用が必要になるため、ご家庭での管理の負担についても事前に確認しておきましょう。
よくある質問
Q. お口ぽかんは、成長とともに自然に落ち着くこともありますか?
A. 成長に伴って鼻の通りや口周りの筋力が変わり、目立たなくなるお子さまもいます。ただ、自然に落ち着くかどうかを前もって見分けるのは難しいため、いびきや鼻づまりが続く場合は記録をもとにご相談ください。
Q. よく噛むと歯並びはよくなりますか?
A. 噛む回数を増やすことは、口周りや舌を使う機会になります。ただ、噛むことだけで歯並びが整うとは言い切れず、骨格や生え変わりの状態によっても変わります。食事の工夫は、相談と並行して取り組むものとお考えください。
Q. 何歳くらいで歯科に相談するとよいですか?
A. 年齢で区切るより、気になった時点でのご相談をおすすめします。乳歯の時期は口の使い方の経過を、生え変わりの時期は顎の成長と歯の並ぶスペースを、というように、時期によって確認するポイントが変わります。
Q. 口を大きく開けにくい、顎が痛いと言うときも同じ相談でよいですか?
A. 口が開けにくい、顎が鳴る・痛むといった様子は、顎の関節や筋肉に関わる別の症状の可能性があります。口呼吸とは分けて、いつ・どんな動きで痛むかを歯科でお伝えください。痛みが強い、長引く場合は早めの受診をおすすめします。
参考文献
1. Zhao Z, Zheng L, Huang X, et al. Effects of mouth breathing on facial skeletal development in children: a systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. 2021. PMID: 33691678 / DOI: 10.1186/s12903-021-01458-7
2. Lekvijittada K, Uengkajornkul P, Changsiripun C. Dental arch dimension and palatal morphology in children and adolescents with mouth breathing: a systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. PMID: 42026531 / DOI: 10.1186/s12903-026-08349-9
3. do Nascimento RR, Masterson D, Mattos CT, et al. Dentoalveolar alterations after interventions to relieve mouth breathing: Systematic review and meta-analysis. Journal of Orofacial Orthopedics. PMID: 39815054 / DOI: 10.1007/s00056-024-00568-5
医療法人スワン会 ミッドランドスワン歯科矯正歯科勤務
港スワン歯科矯正歯科勤務
名古屋市内の医療法人にて分院長
大垣みらいファミリー歯科+kids開院
インビザライン認定医
ノーベルバイオケアインプラントMentor Program修了
Club GP Basicコース修了
床矯正ベーシックセミナー
Dr. Chris Farrell 講習会
Dr. John Flutter 講習会
その他多数のセミナー、勉強会等受講済
日本糖尿病協会登録歯科医
スウェデンティスト認定
イエテボリ大学 日本スクーリニング
口腔感染症予防外来認定医
JIADS会員
【所属学会】
日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
日本審美歯科学会
ESC会員
日本歯科医師会
岐阜県歯科医師会
大垣市歯科医師会
日本臨床歯周病学会
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