
以前の記事「歯の神経を取る治療とは?根管治療について解説」では、根管治療の基本的な考え方を解説しました。
今回はその続編として、根管治療の具体的な流れと治療期間の目安を詳しくご紹介します。
目次
■根管治療とは?歯の根をきれいにする治療
根管治療とは、むし歯や外傷などにより感染した歯の神経(歯髄)や歯の根の中を清掃・消毒し、再感染を防ぐ治療です。「歯根治療」「歯の根の治療」と呼ばれることもあります。
歯の根の中は非常に細く複雑な形をしているため、複数回に分けて慎重に進める治療になるのが一般的です。
■根管治療の基本的な流れ
ここでは、一般的な根管治療の流れを段階ごとに解説します。
①むし歯や感染部位の除去
まず、むし歯や被せ物を取り除き、歯の根の入り口を確認します。感染した神経や組織を取り除く準備段階です。
②根管内の清掃・消毒
専用の器具を使って、歯の根の中を丁寧に清掃します。細菌を減らすため、薬剤による消毒も行われます。
③ 仮の詰め物で経過観察
清掃後は、薬を入れて仮の蓋をし、痛みや腫れが落ち着くかを確認します。この工程を数回繰り返すことがあります。
④ 根管充填(最終的な詰め物)
感染が落ち着いたら、歯の根の中に隙間ができないよう材料を詰め、再感染を防ぎます。
⑤ 被せ物による補強
最後に、土台や被せ物を装着し、きちんと噛めるように歯の機能を回復させます。
■根管治療の期間はどのくらい?
根管治療の期間は、歯の状態や感染の程度によって異なります。下でご紹介している回数や期間は目安になります。
◎ 治療期間の目安
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軽度の場合:2〜3回(数週間)
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感染が強い場合:7〜8回以上になることも(1〜3ヵ月程度)
歯の根の数が多い奥歯や、再治療の場合は、さらに期間がかかることもあります。
■根管治療が長引く主な理由
「なぜ治療に何度も通うの?1回でできないの?」と疑問に思う方も少なくありません。根管治療が長引く理由には以下のような理由があります。
◎歯の根の形が複雑
根管は非常に細く、枝分かれしていることがあります。
◎細菌感染のコントロールが必要
一度で完全に細菌を除去するのが難しく、複数回治療を行う場合があります。
◎痛みや腫れの経過観察が必要
症状を確認しながら進めるため、治療回数が増えることがあります。
■根管治療の期間が短くなるケース・長くなるケース
根管治療の期間は一律ではなく、歯の状態や治療環境によって差が出ます。ここでは、「比較的スムーズに進む場合」と「時間がかかりやすい場合」の違いを整理します。
◎期間が比較的短くなるケース
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初めての根管治療である
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感染が軽度で、痛みや腫れが少ない
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歯の根の本数が少ない(前歯など)
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仮蓋が外れず、計画通り通院できている
このような場合は、治療回数が少なく済み、期間も短くなる可能性があります。
◎期間が長くなりやすいケース
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過去に根管治療を受けており、再治療が必要
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歯の根が複雑に曲がっている
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感染が強く、症状が落ち着くまで時間が必要
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通院間隔が空いてしまう
期間が延びる場合でも、丁寧に進めることが歯を残すために重要であり、決して珍しいことではありません。
■根管治療中に気をつけたいこと
治療をスムーズに進めるためには、患者さま自身の協力も重要です。
◎注意点
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仮蓋が取れた場合は早めに受診する
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治療中の歯で硬いものを噛まない
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違和感や痛みが続く場合は放置しない
【根管治療は流れと期間を知るとスケジュールが把握しやすい】
根管治療は、歯を残すために重要な治療です。「歯の根の治療=長くて大変」という印象を持たれがちですが、流れや期間を理解することでスケジュールの管理もしやすくなります。
状態によって治療内容や期間は異なるため、気になる点は遠慮せず相談しながら進めることが大切です。

