子どもの歯の健康を守るうえで欠かせないのが「毎日の歯みがき」です。特に使用する歯みがき粉は、年齢や発達段階に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
本記事では、年齢別に適した歯みがき粉の選び方と、含まれていると良いと言われる成分について詳しくご紹介します。
初めての歯みがきから永久歯の生え始めまで、お子さんの成長に応じた情報をぜひご活用ください。
目次
■0〜2歳:うがいができない時期の歯みがき粉選び
この年齢の子どもはまだうがいが難しく、歯みがき粉を飲み込んでしまうことも多いため、使用する製品は「飲み込んでも安心」なものを選ぶことが重要です。
◎ポイント
研磨剤・発泡剤無添加の製品がおすすめです。歯や歯ぐきに優しく、泡立ちすぎず使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
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フッ素を含む歯磨き粉を選ぶ場合は、1000ppm(フッ素濃度)のものが適切とされています。
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フッ素入り歯みがき粉を使用する場合は、米粒程度(1〜2mm)の量にしましょう。
■3〜5歳:自分で磨きたがる時期には
手先の動きが発達し、自分で歯ブラシを持って歯を磨きたがる時期です。ただし磨き残しが多いため、必ず大人による仕上げ磨きを続けましょう。
◎ポイント
この年齢では、「子ども専用」と明記された製品を選ぶことが基本です。パッケージに年齢の目安が記載されている製品も多く、選びやすくなっています。
また、ジェルタイプやペーストタイプの使い分けもおすすめです。ジェルは泡立ちが少なく視認性が高いため仕上げ磨きに便利です。
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フッ素を含む歯みがき粉を選ぶ場合は、1000ppm(フッ素濃度)のものが適切とされています。
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フッ素入り歯みがき粉を使用する場合は、グリンピース程度(5mm)の量にしましょう。
■6〜12歳:永久歯が生え始める時期に
6歳前後からは永久歯が徐々に生えてきます。むし歯リスクも高まり、より効果的なケアが必要となる時期です。
◎ポイント
刺激の少ないミント系やフルーツ系の香味料にも徐々に慣れていく時期なので、使用できる歯みがき粉の選択肢が広がります。
またこの時期からは、フッ素塗布やシーラントといった歯科医院での予防処置と、家庭でのケアを組み合わせることが理想的です。
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フッ素を含む歯みがき粉を選ぶ場合は、1500ppm(フッ素濃度)のものが適切とされています。
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フッ素入り歯みがき粉を使用する場合は、歯ブラシ全体が埋まる程度の量(5~2cm程度)にしましょう。
※ 4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(2023年1月)
(日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)参考
■歯みがき粉に含まれると良いと言われる成分
年齢を問わず、子どもの口腔ケアに役立つ代表的な成分をご紹介します。製品選びの際には成分表示をチェックしましょう。
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フッ化ナトリウム(フッ素):歯の再石灰化を促進し、むし歯の発生を抑える。
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キシリトール:むし歯の原因となるミュータンス菌の活動を抑える。
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リン酸三カルシウム:歯の再石灰化をサポートする。
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グリチルリチン酸ジカリウム:歯ぐきの炎症を抑える抗炎症成分。
【子どもの成長に合わせた歯みがき粉を選ぼう】
歯みがき粉は毎日使うものだからこそ、子どもの年齢や好みに合ったものを選ぶことが大切です。使用する成分やフレーバー、使用感などに着目し、歯科医師や歯科衛生士のアドバイスも取り入れながら、楽しく歯みがきを続けましょう。
※本記事は特定の製品を推薦・比較するものではなく、一般的な情報提供を目的としています。必要に応じて歯科医療機関にご相談ください。