子どもの歯並びが気になり始めたとき、矯正治療を検討する保護者さまも多いかと思います。その中で「床矯正(しょうきょうせい)」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、小児矯正に用いられる「床矯正」とはどんな矯正方法なのか、また、効果・費用・期間など、保護者さまが気になるポイントについて詳しく解説していきます。
■床矯正とは?どんな装置を使うの?
床矯正とは、子どもの成長期に合わせて、歯の生えるスペースを確保したり、顎の前後的なずれを改善するために使用する矯正装置です。顎の骨自体の成長を促しながら、自然な歯並びを目指していく治療法です。
装置は取り外しが可能なプレート型で、主にプラスチックと金属で作られています。中央にねじが付いており、定期的にそのねじを巻くことで、少しずつ顎を拡げて、適切に歯が並ぶように調整していく仕組みです。
取り外しができるため、食事や歯みがきの際には外すことができ、衛生面でも優れています。
■床矯正の効果とは?
床矯正の大きな効果は、顎の成長を促し、自然に歯が並ぶスペースを確保することにあります。歯が並ぶための十分なスペースをつくることで、将来の歯並びの乱れや重なりを予防できるだけでなく、永久歯が正しい位置に生えるための土台作りにもなります。
また、早い段階で治療を始めることで、将来抜歯をせずに矯正できる可能性が高まるのも大きなメリットです。子ども自身の成長力を利用するため、身体への負担が少なく、無理のないペースで矯正を進めることができる点も特徴です。
■床矯正にかかる費用はどれくらい?
床矯正の費用は、一般的にはワイヤー式の矯正よりも比較的抑えられる傾向にあります。
たとえば当院では、330,000~440,000円※です。
医療機関によって費用体系は異なりますので、事前にしっかりカウンセリングを受け、納得してから開始するようにしましょう。
※症例により変動します。
■床矯正にかかる時間・期間は?
床矯正にかかる期間は、子どもの成長スピードや歯並びの状態によって異なりますが、一般的には1年半から3年程度が目安とされています。
基本的には、毎日一定時間(14時間程度)装置を装着する必要があります。夜間だけでなく、できるだけ日中も装着することで効果を高めることができるため、本人の協力度も治療の進み具合に大きく影響します。
■床矯正はこんな子におすすめ
床矯正は、特に次のような子どもにおすすめです。
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歯が並ぶスペースが明らかに不足している
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顎が小さく、永久歯が正しい位置に生えそうにない
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受け口や出っ歯など、骨格に関わる問題が軽度である
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将来できるだけ抜歯を避けたい
早い段階で顎の成長をコントロールすることで、将来本格的な矯正(ワイヤー式の矯正やマウスピース矯正など)を避けられる場合もあります。
※床矯正が適応になるかは歯科医師の診断によります。症例によっては他の矯正装置をご案内する場合もあります。
【将来を見据えた早めの検討をおすすめします】
子どもの矯正治療は、成長期という限られたタイミングを活かすことで、大きな効果が期待できます。
「いつ始めたらいいかわからない」「うちの子も必要なのか不安」という場合でも、まずは一度、歯科医師に相談してみることをおすすめします。
未来のきれいな歯並びのために、今できることから始めてみませんか?