
忙しい毎日の中で、つい食事時間が短くなってしまうこともありますが、子どもがよく噛んで食べること(咀嚼:そしゃく)には、多くのメリットがあります。
今回は、よく噛むことの効果や、むし歯予防との関係、さらに顎や発音の発達とのつながりについて詳しく解説します。
目次
■そもそも「よく噛む」とは?何回くらいが目安?
「よく噛む」とは、食べ物を口に入れてから飲み込むまでに、十分な回数の咀嚼を行うことを指します。
一般的には一口あたり20〜30回程度噛むことが目安といわれることがあります。ただし、年齢や食べ物の硬さによって必要な回数は異なります。
重要なのは「何回」と数字にとらわれすぎることではなく、
-
食べ物の形がなくなるまでしっかり噛む
-
急いで飲み込まない
-
口を閉じて噛む
といった基本を習慣づけることです。
◎噛むことの効果① 消化を助ける
よく噛むことの大きな効果のひとつが、消化を助けることです。
食べ物は、噛むことで細かくなり、唾液と混ざります。唾液には消化酵素(アミラーゼ)が含まれており、でんぷんの分解を助けます。
咀嚼が不十分だと、胃腸に負担がかかる・食後にお腹が張りやすい、といったことにつながる可能性があります。しっかり噛んでから飲み込むことは、体全体の健康にも関わっています。
◎噛むことの効果② むし歯予防につながる
よく噛むと唾液の分泌量が増えます。唾液には、
-
口の中の汚れや食べかすを洗い流す効果
-
むし歯の原因となる酸を中和する効果
-
歯の再石灰化を助ける効果
があります。
そのため、しっかり咀嚼することは、むし歯予防にもつながります。「食べたらすぐ歯みがき」に加えて、「よく噛む習慣」も、実は大切なポイントです。
◎噛むことの効果③ 顎の骨や筋肉の発達を促す
子どもの顎の骨や口周りの筋肉は、成長途中にあります。
硬さのある食べ物をよく噛むことで、
-
顎の骨の正常な発達
-
咀嚼筋(噛む筋肉)の発達
が促されます。
やわらかい食べ物ばかりで噛む回数が少ない食事が続くと、顎が十分に発達せず、歯並びや噛み合わせに影響することもあります。
日頃から、
-
繊維質のある野菜
-
少し歯ごたえのある食べ物
を取り入れることも、咀嚼のトレーニングになります。
◎噛むことの効果④ 発音や口の機能の発達
よく噛むことは、舌・唇・頬の筋肉をバランスよく使うことにつながります。
これにより、
-
発音がはっきりする
-
口をしっかり閉じる力が育つ
-
飲み込む力が安定する
といった効果が期待できます。これらは、口腔機能発達不全症の予防にもつながる重要な要素です。
口腔機能発達不全症とは、食べる・話す・呼吸するなどの口の機能が十分に発達していない状態を指します。早い段階から「よく噛む習慣」を身につけることが、健やかな口腔機能の発達に役立ちます。
【早く食べる子より、よく噛める子を目指しましょう】
「よく噛む」ことは、
-
消化を助ける
-
むし歯予防につながる
-
顎の骨や筋肉を育てる
-
発音や口の機能の発達を支える
など、多くのメリットがあります。
何回噛むかという数字だけでなく、「食べ物をしっかり咀嚼してから飲み込む」習慣を身につけることが大切です。毎日の食事が、子どもの将来の健康な口づくりにつながっています。

