「子どもの歯並びが悪いのでは?」と感じている保護者さまは少なくありません。歯並びの乱れは、遺伝の影響と考えられがちですが、日常生活の習慣が大きく関係していることがあります。
特に「お口ポカン」や「口呼吸」などは、近年よく耳にする原因のひとつです。ここでは、子どもの歯並びが悪くなる主な要因と、気をつけたい生活習慣について解説します。
目次
■子どもの歯並びが悪くなる原因とは?
子どもの歯並びが悪くなる要因には、遺伝的な要素と後天的な要素があります。
顎の大きさや歯の大きさなどは遺伝の影響を受ける場合がありますが、歯並びの乱れは毎日の習慣が大きく関係します。
例えば、口をぽかんと開けている「お口ポカン」の状態は、顎や舌の発達に影響を与えやすいといわれています。また、口呼吸が続くと、舌の位置や口周りの筋肉の使い方が変わり、歯がきれいに並ぶスペースが確保できなかったり、噛み合わせに影響が出る場合があります。
このように、歯並びの乱れは生活習慣とも密接に結びついているのです。
■気をつけたい生活習慣
子どもの歯並びに関係しやすい生活習慣には、いくつかの共通点があります。ここでは代表的なものを紹介します。
◎お口ポカン
安静な状態で自然に口を閉じることがなく、口をポカンと開けている状態が続くと、舌の位置が下がり、正しい顎の発達を妨げることがあります。普段から鼻で呼吸をする習慣を意識することが大切です。
◎口呼吸
鼻ではなく口で呼吸する癖があると、口周りの筋肉が十分に使われず、唇や舌の位置が不安定になります。その結果、歯並びやかみ合わせに悪影響を及ぼすことがあります。
特に風邪やアレルギーで鼻が詰まりやすい子どもは特に注意が必要です。
さらに、口呼吸は歯並びだけでなく、以下のような健康面にも影響を与える可能性があります。
- 口の中が乾燥しやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まる
- 睡眠の質が低下し、集中力や成長に影響する
◎指しゃぶりや舌癖
長い期間の指しゃぶりや、舌で歯を押す癖は、前歯がに余計な圧力がかかってしまうことがあります。その結果、歯が正しい位置に並ばなくなり、出っ歯・上下の歯が噛み合わない開咬(かいこう)、歯列が広がらないなどの歯並びの乱れの原因になることがあります。
◎柔らかい食べ物中心の食生活
柔らかいものばかり食べ、噛む力を使わない食生活は顎の発達不足につながりやすく、歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなることがあります。
そこで大切なのが、様々な触感の食べ物を組み合わせること。
にんじんやごぼうなどの硬めの野菜、りんごなどシャキシャキした果物、噛み応えのあるお肉などを日々の食事に取り入れることで、自然と噛む回数が増え、顎の発達を促すことができます。
■悪い歯並びを改善するための対策
気になる生活習慣を見直すことが、将来の歯並びを整えるための第一歩です。さらに、歯並びや噛み合わせをサポートする方法として、近年は「マイオブレース」や「MFT(口腔筋機能療法)」が注目されています。
◎マイオブレース
マイオブレースは、子どもの成長期に合わせて口呼吸や舌の位置などを改善しながら歯並びをサポートする装置です。生活習慣と併せて使用することで、将来の歯並びの安定につながるとされています。
👉 子どもの矯正装置マイオブレースについて詳しくはこちら
◎MFT(口腔筋機能療法)
MFTは、舌や口周りの筋肉を正しく使えるようにするためのトレーニングです。正しい舌の位置や呼吸習慣を身につけることを目的としており、歯並びの安定に役立つといわれています。
👉 MFTについて詳しくはこちら
【気になる癖や習慣がある場合は、早めに歯科医師に相談してみましょう】
子どもの歯並びが悪くなる原因は、遺伝的な要因だけでなく、生活習慣も大きく関係しています。お口ポカンや口呼吸、指しゃぶりや舌癖、そして噛む習慣の不足などは、歯並びの乱れにつながる可能性があります。
生活習慣を見直すことに加えて、マイオブレースやMFTといった方法を取り入れることで、歯並びを整えるサポートができます。