
以前のブログでは、「歯周病がなぜ怖いのか」、そして「糖尿病との関係」についてお話しました。今回はその続きとして、歯周病が体のほかの病気とどうつながっているのかをわかりやすく紹介します。
「歯周病って、口の中だけの病気じゃないの?」と思っている方にこそ、読んでいただきたい内容です。
目次
■歯周病と心臓の病気が関係している?
歯ぐきの病気が、心臓の病気に関係していると言われると驚くかもしれません。でも実は、歯周病が原因で心筋梗塞や狭心症になるリスクが高くなることが分かってきています。
◎なぜ口の病気が心臓に関係するの?
歯周病があると、口の中の細菌が血液の中に入り、体全体に巡ってしまうことがあります。すると、この細菌が血管の中に炎症が起こし、動脈硬化が進むと考えられています。
動脈硬化が進むと、血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のような重大な病気が起こりやすくなるのです。
◎どのくらい危険なの?
研究によると、重度の歯周病の方は心臓病になる確率が2〜3倍に高くなるというデータもあります。つまり、歯ぐきの炎症が全身の血管に悪い影響を与えているということですね。
■妊娠中の女性も歯周病に要注意!
妊娠している女性にとっても、歯周病はとても重要な問題です。なぜなら、歯周病が早産や低体重児の出産に関係する可能性があるからです。
◎なぜ赤ちゃんに影響が出るの?
歯ぐきが腫れたり出血したりすることで、炎症物質が体全体に広がると、子宮を刺激して出産が早まってしまうことがあります。これが「早産」と呼ばれる状態です。
特に重度の歯周病を持つ妊婦さんは、通常よりも早産や低体重児が生まれるリスクが高くなるとされています。
◎赤ちゃんのためにも口のケアを
妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすくなったり、つわりで歯みがきが難しくなったりすることがあります。だからこそ、できる時に丁寧なケアが必要です。
妊娠中期など、比較的安定した時期を狙って、出産前から歯科でのチェックやクリーニングを受けることも大切です。
■高齢者や持病がある人にも影響大
歯周病が関係する病気は、心臓や妊娠に関わるものだけではありません。高齢者や、体に持病がある人にも影響を与えることがわかっています。
◎誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
高齢者に多い肺炎で、食べ物や唾液が間違って気管に入ることで起こる肺の病気です。
歯周病があると、唾液にまじった細菌が肺に入りやすくなり、肺炎になるリスクが上がります。これは寝たきりや嚥下障害がある方に特に注意が必要です。
◎関節リウマチ、骨粗しょう症、腎臓病など
歯周病による炎症が、体の免疫や骨にも影響を与えることがあります。
例えば以下のような病気と深く関係があると明らかになっています。
①関節リウマチ:関節の痛みや腫れを悪化させることがある
②骨粗しょう症:歯を支える骨が少なくなり、歯が抜けやすくなる
③腎臓病:慢性的な炎症が腎機能に悪影響を及ぼす可能性がある
また、メタボリックシンドローム(高血圧・肥満・脂質異常などの複合状態)とも深い関係があることが報告されています。
【歯周病=全身の健康】
歯周病は、決して「歯だけの問題」ではありません。心臓病・早産・肺炎・リウマチ・腎臓病など、全身の健康に関わる病気を引き起こすことがあるのです。
「ちょっとくらいの歯ぐきの出血なら大丈夫」と思わず、体を守るためのサインとして受け止めましょう。
当院では歯周病治療にも丁寧に対応しております。定期検診などお気軽にご相談ください。