親知らずを抜くべきか、それとも抜かないでおくべきか?この悩みに直面する人が多いと思います。実は親知らずの存在がお口の環境にさまざまな影響を及ぼすことがあります。
この記事では、親知らずがどんな歯なのか、そして抜くべき場合と抜かなくても良い場合の条件について詳しく解説します。
目次
■親知らずとは?
親知らずとは前から数えて8番目の歯で、第三大臼歯とも呼ばれます。
通常は15歳以降にかけて生えてくることが多く、1番最後に生えてくる永久歯です。
■親知らずの悪影響
親知らずは顎の骨の中に埋まっている人、しっかりと顎の骨の中から出ている人、元々顎の骨の中にない人とさまざまです。
また、現代の人々の顎のサイズが小さくなっているため、親知らずが正常に生えるスペースが不足することが多くなっています。その結果、以下のような悪影響が生じることが少なくありません。
◎歯並びの乱れ
親知らずが無理に生えてくると、他の歯を押して歯並びを乱す原因になることがあります。特に矯正治療を受けた後の人にとっては、せっかく整えた歯並びが再び乱れるリスクが高まります。
◎歯ぐきの炎症
親知らずが部分的に生えてくると、歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。これを「智歯周囲炎」(ちししゅういえん)と言い、強い痛みを伴うことがあります。
※智歯:親知らず
◎むし歯や歯周病
親知らずは1番奥に生えるため、歯みがきでうまくブラッシングができず、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
◎隣接する歯へのダメージ
親知らずが正常に生えずに横向きや斜めに生えてくると、隣接する第二大臼歯に圧力がかかり、ダメージを与えることがあります。これにより、隣接するの歯もむし歯や歯周病になりやすくなります。
■親知らずを抜いたほうがいい場合
親知らずを抜くべきかどうかは、状況によって異なりますが、以下のような場合は抜いた方がいいとされています。
◎強い痛みや腫れがある場合
親知らずが生えてくる過程で、強い痛みや腫れが生じる場合は、抜いた方が症状の軽減につながり、その後の生活を快適に過ごすことができます。
◎歯並びが乱れるリスクが高い場合
特に矯正治療を受けた人や、これから矯正治療を受ける予定のある人は、親知らずが歯並びを乱すリスクがあるため、事前に抜くことが推奨される場合があります。
◎智歯周囲炎が頻繁に起こる場合
智歯周囲炎が繰り返し発生する場合、親知らずを抜くことで炎症の再発を防ぐことができます。
◎むし歯や歯周病が進行している場合
親知らずがむし歯や歯周病になっている場合は、抜くことを検討する場合が多いです。
■親知らずを抜かなくても良い場合
一方で、親知らずを抜かなくても良い場合もあります。以下のような条件に該当する場合は、親知らずをそのまま残しても問題ないことが多いです。
◎正常に生えている場合
親知らずが正常に生えており、他の歯や歯ぐきに悪影響を与えていない場合は、無理に抜く必要はありません。
◎痛みや炎症がない場合
親知らずが生えていても痛みや炎症が特にない場合は、そのまま様子を見ることができます。
◎ケアがご自身でできる場合
親知らずが位置的にきちんとケアできる場所にある場合は、しっかりと歯みがきや定期的な歯科検診を行うことで問題を予防できます。
【親知らずを抜くべきか、抜かなくてもいいか知りたい方はご相談ください】
親知らずは自然に生えてくる歯ですが、現代の顎のサイズや生活習慣の変化により、抜くべきかどうかの判断が必要なケースが増えています。自分の親知らずって抜いた方が良いのかな…?痛くないけど抜いた方がいいの…?など、ご自身の親知らずの状態を知るために、まずは歯科医院にご相談ください。