子どもの健康を守る上で、むし歯予防は非常に重要です。特に6歳頃で生えてくる6歳臼歯(第一大臼歯)は歯の溝が複雑でむし歯になりやすい反面、生涯使い続ける永久歯ですので早期の予防が必要です。その中で注目されているのが、「シーラント」という予防法です。
本日はシーラントの特徴や費用などをお話しします。
目次
■シーラントって何?むし歯予防にどのような効果があるの?
シーラントは、歯の噛み合わせの溝や凹凸部分に特殊な樹脂を塗布する予防法です。この樹脂が歯の表面を覆うことで、虫歯菌や食べかすが歯の溝に入り込まなくなります。その結果、むし歯の発生を防ぐことができます。
特に、奥歯の噛み合わせの溝や凹凸部分は、歯ブラシが届きにくい箇所であり、むし歯の発生リスクが高い場所です。シーラントを施すことによって、このリスクを大幅に低減することができます。
■シーラントのメリット
◎むし歯予防効果
シーラントにより、噛み合わせの凹凸部分が滑らかになり、食べかすやむし歯菌の付着が減少します。これにより、むし歯の原因となるむし歯菌の繁殖を抑えることができ、発生リスクを低減する効果が期待できます。またシーラントの種類によってはフッ素が配合されており、歯を保護するだけでなく、フッ素の効果によってむし歯の予防も行えます。
◎痛みを伴わない治療
特に歯科医院での治療に慣れていない子どもでも、短時間で終わる処置なので、ストレスなく受けることができます。
■シーラントの施術方法と費用について
◎シーラントの施術方法
噛み合わせの溝や凹凸部分を丁寧にお掃除し、お薬をつけて乾燥させます。その後、特殊な樹脂を塗布し、光で硬化させます。
◎シーラントの費用
シーラントでは6~12歳の子どもに保険が適用されます。しかし条件があり、初期のむし歯があると診断された乳歯または生えたばかりの永久歯に限られます。
保険適用の場合は1つの歯につき400~600円程度(3割負担)の費用がかかります。
また13歳以上の子どもや健康な歯に対するむし歯予防目的では、保険の適用外となり、自費診療となります。
■シーラントの持続期間と注意点
シーラントの持続期間は、約2〜5年程度とされており、永久的なものではありません。また日々の食事習慣や歯ぎしりの癖などで、約2~3ヶ月でシーラントが欠けてしまうこともあります。そのため、定期的な歯科検診でのチェックが重要です。
■シーラントがすぐ外れてしまう方の特徴
◎咬合力の問題
シーラントは、咬合圧や咬合面への摩擦などの大きな力に耐える必要があります。しかし、あまりにも強い噛みしめや歯ぎしりなどの習慣がある場合、シーラントは剥がれやすくなる可能性があります。
◎シーラントの劣化
シーラントは時間とともに劣化することがあります。常に摩耗しているため、食べ物の咀嚼や歯磨きにより少しずつ剥がれることがあります。定期的な検診でシーラントの劣化を確認し、必要に応じて修復する必要があります。
【当院ではシーラントのご案内をしております】
当院では永久歯が生えてきたばかりのお子さまにシーラントのご案内をしております。シーラントをご希望の方は気兼ねなくご相談ください。