口腔筋機能療法(MFT)は、お口周りの筋肉を適切に機能させるためのトレーニング法で、歯並びや噛み合わせの改善に導くための治療法です。特に成長期の子どもに対して行うことで、将来的な歯並び悪化の予防や舌癖などの癖の改善が期待できます。
この記事では、MFTのやり方と注意点について詳しく解説します。
MFT(口腔筋機能療法)の効果や必要性については、2024年7月に公開したこちらの記事を参考にしてください。
目次
■MFT(口腔筋機能療法)のやり方と注意点
◎MFTとは?
MFTは、口腔周囲の筋肉をトレーニングすることで、歯並びや噛み合わせの改善を図る療法です。特に子どもの矯正治療においては、筋肉のバランスを整えることで、歯並びの正常化を促進します。
■MFT(口腔筋機能療法)で行うトレーニング
◎舌の位置を正しくするためのトレーニング
- 舌の先端を上顎の前歯の後ろに置く
舌の先端を上顎の前歯の後ろの「スポット」と呼ばれる部分に軽く押し付けます。この位置を常に意識することで、舌の正しい位置を覚えます。
- 舌の押し上げ運動
舌を上顎全体に押し付けるようにして、舌全体を上に持ち上げます。これを数秒間保持し、ゆっくりと戻します。
◎唇を閉じるトレーニング
- 唇の閉じる運動
唇をしっかりと閉じ、舌をスポットに置いて数秒間保持します。
習慣化するために、ストローを唇で挟んで舌をスポットに置くと、強制的に唇を閉じることができ、効果的です。
- 口輪筋のトレーニング(あいうべ体操)
口の周りの筋肉を鍛えるために、「あ」「い」「う」「べ」と発音する体操が効果的です。同時に、舌を伸ばしたり、唇を閉じたりする力を鍛える効果も期待できます。
◎呼吸のトレーニング
- 鼻呼吸の練習
口を閉じたまま、鼻からゆっくりと息を吸い、鼻からゆっくりと息を吐きます。これを繰り返すことで、鼻呼吸を習慣化します。
- 深呼吸のトレーニング
深く息を吸い込み、数秒間息を止めてから、ゆっくりと息を吐きます。これを数回繰り返します。
■MFT(口腔筋機能療法)の注意点
◎継続が重要
MFTは一度や二度のトレーニングで効果が出るものではありません。日々のトレーニングを継続することが重要です。毎日少しずつでも続けることで、確実に効果が現れます。
◎正しい方法で行う
トレーニングを正しい方法で行うことが重要です。自己流で行うと、逆効果になることもあります。歯科医院で教わった方法を忠実に実践しましょう。
◎無理をしない
トレーニング中に痛みや不快感を感じた場合は、無理に続けず、一旦中止してください。無理をすると筋肉や関節に負担がかかり、逆効果になることがあります。
◎定期的に歯科医院でチェックをしてもらう
定期的に歯科医院でチェックを受けることが重要です。トレーニングの効果や進捗状況を確認し、必要に応じて方法を修正してもらいましょう。
【子どものうちからお口を鍛えることで将来の歯並びに良い影響を与えます】
MFT(口腔筋機能療法)は、子どもの歯並びや噛み合わせの改善に非常に有効なトレーニングです。
舌の位置や唇の閉じるトレーニング、鼻呼吸の習慣化など、日々のトレーニングを継続することで、効果が期待できます。ただし、正しい方法で無理をせずに行うことが重要です。定期的に歯科医院でチェックを受けながら、継続的に取り組んでいきましょう。