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歯茎が腫れて痛いし膿も出る…受診目安と当日の歯科処置を解説

歯茎が腫れて痛いし膿も出る…受診目安と当日の歯科処置を解説

目次

歯ぐきの腫れと膿に気づいたときの判断基準


歯ぐきから膿が出ている、腫れが2〜3日引かない、噛むと痛むときは、その日のうちに歯科医院へ電話して受診を相談するのが目安です。膿が出て痛みがやわらいでも、もとになるばい菌の感染は奥に残っていることが少なくありません。この記事では、救急での対応を先にしたい症状の見分け方や、受診までにできる手当て、電話で伝えたいことと初めての受診の流れをまとめてご説明します。


この記事の要点まとめ


  • 膿や腫れ・痛みが続くときはその日のうちに歯科へ連絡し、息苦しさや飲み込みにくさがあれば救急への相談も考えます。
  • 膿が出て痛みがやわらいでも、感染のもとが残ることがあるため、受診して原因を確かめます。
  • 受診までは口の中をやさしくきれいにし、膿を自分で出そうとせず、予約のときに症状や熱、飲んでいるお薬を伝えます。

歯ぐきの腫れ・痛み・膿は、今日中に歯科へ連絡すべき?受診目安を症状別に整理


膿が出ているときや、腫れと痛みが何日か続いているときは、その日のうちに歯科医院へ連絡して、いつ受診するかを相談してください。一方で、息が苦しい、飲み込みにくい、顔全体に急に腫れが広がるといったときは、ふだんの歯科の予約ではなく救急での受診を考えてください。歯ぐきの膿や親知らずのまわりの急な炎症では、熱などの全身の症状があるかどうかが、処置や抗菌薬を使うかを決めるときの一つの分かれ目になります。


症状の目安連絡先と行動の目安
息苦しい、水や唾が飲み込みにくい、口がほとんど開かない、目の下や首まで腫れが広がる、高熱がある通常の予約を待たず、119番や救急相談窓口、救急外来へ
歯ぐきから膿が出る、嫌な味が続く、噛むと響く、腫れが2〜3日引かない当日中に歯科医院へ電話し、当日または翌日の受診を相談
熱や顔の腫れがなく、市販の鎮痛薬で眠れる程度の軽い違和感(夜間・休日の場合)翌朝の診療開始を待って歯科医院へ電話(夜間に悪化したら救急へ)

当日中に電話したい症状:膿が出る、腫れが2〜3日引かない、噛むと響く


歯ぐきから白い膿や血が混じった液が出て嫌な味が続くときや、噛み合わせたときに奥歯が浮いたように痛むときは、早めの受診が望まれます。以前治療した被せ物の周りがふくらんでいる場合も同様です。「腫れて4日目になってしまった」という場合でも遅すぎることはありませんので、気づいた時点で歯科医院へお電話ください。


通常の予約を待たず119番や救急受診を考える症状


炎症が顎の下や喉の奥へ広がると、気道を圧迫して息苦しさが出たり、唾や水を飲み込みにくくなったりする(嚥下困難)ことがあります。指が1本分も入らないほど口が開きにくい状態(開口障害)や、目の下・首筋まで腫れが広がり高い熱でぐったりしている状態は、一般の歯科医院で対応できる範囲を超えることがあります。このようなときは、救急受診や地域の救急相談窓口への連絡を優先してください。


翌朝まで待てるのはどんなとき?夜間・休日の切り替えの基準


夜間や休日に症状に気づいた場合、発熱や顔全体の腫れがなく、市販の鎮痛薬で痛みが落ち着いて眠れる状態であれば、翌朝の診療時間を待って連絡する方法が考えられます。ただし、夜のうちに頬から首へ腫れが急に広がる、熱が上がる、飲み込みづらくなるといった変化が現れた場合は、朝まで待たずに夜間救急へ切り替えてください。


糖尿病・妊娠中・免疫を抑える薬を使っている方は早めの相談を


糖尿病をお持ちの方や、免疫をおさえるお薬を飲んでいる方は、ばい菌による感染が広がりやすいため、症状が軽くても早めに連絡しておくと、受診の段取りをつけやすくなります。また、妊娠中の方は、使えるお薬やレントゲンへの気くばりが必要になります。妊婦さん向けの歯科検診に対応する歯科医院も多くありますので、電話のときに持病や妊娠何週目か、飲んでいるお薬を伝えておくと、当日の準備がスムーズに進みます。


膿が出て痛みが軽くなったら、受診は先延ばしにしても大丈夫?


膿が出て痛みが和らいだとしても、原因となっている細菌や感染源は歯ぐきの奥に残っていることが多いため、受診を先延ばしにせず歯科医院で状態を確認してもらう必要があります。「膿が出きれば自然に治る」「腫れが引いたから様子見でよい」と考えるのは誤解であり、放置すると同じ場所が再び腫れてくることが少なくありません。


ポイント

痛みが引くのは内側の圧力が下がったためであり、原因が治ったわけではありません。落ち着いているうちに診査を受けることが、結果としてご自身の歯を守る近道になります。


痛みが軽くなるのは、たまった膿の圧が抜けただけのことが多い


歯ぐきが強く痛むのは、内部にたまった膿が周囲の組織や骨を内側から圧迫するためです。歯ぐきに小さな出口ができて膿が外へ流れ出ると、この圧力がすっと下がるため一時的に痛みが軽くなります。しかし、奥にある感染の元が取り除かれたわけではないため、出口がふさがると再び膿がたまり、にきびのようなできものが繰り返し現れる原因になります。


以前治療した奥歯の腫れは、見た目だけでは原因を決められない


同じような歯ぐきの腫れや口臭、膿でも、その裏にある原因は一つではありません。歯と歯ぐきのさかいめから進む歯周病のほか、神経の治療をした歯の根の先に膿がたまる根尖性歯周炎、歯の根にひびが入る歯根破折、親知らずのまわりの炎症(智歯周囲炎)などが考えられます。原因によって必要な処置がちがうため、市販の歯周病ケア用品だけで様子を見ず、画像の検査などで見きわめることが求められます。


繰り返す前に診てもらうことが、歯を残す選択肢につながる


炎症の再発を繰り返すうちに、歯を支えている顎の骨が少しずつ溶けて失われていくことがあります。歯を抜くかどうかを決めるときは、その歯ひとつの状態だけでなく、患者さんご本人の事情もふくめて一つずつていねいに見ていきます1。「抜くことになるのでは」と怖さを感じる方もいらっしゃいますが、悪い歯もできるだけ削らず抜かない方針を大切にするうえでも、骨のダメージが軽いうちに状態を確認し、治療の選択肢を一緒に考えることが大切です。


受診までの間、腫れと膿にはどう対処する?避けたい自己処置は?


受診までのあいだは、お口の中をやさしくゆすいできれいに保ち、痛みが気になるときはほおの外側から軽く冷やすか、説明書どおりに市販の痛み止めを使ってください。反対に、指で膿を押し出すことや体を温めること、手もとに残っている抗菌薬を自分の判断で飲むことは避けてください。


受診までにできること:やさしい清掃、外から冷やす、鎮痛薬は用法どおりに


食後はぬるま湯や水でぶくぶくと強くならないようにゆすぎ、汚れを洗い流します。歯みがきをする際は、腫れている歯ぐきに毛先を強く当てないよう避けながら、周囲の歯を柔らかいブラシで丁寧に磨いてお口全体の清潔を保ちます。熱感やズキズキする痛みがあるときは、水で濡らしたタオルを頬の外側から短時間当てて落ち着かせます。氷を直接当てたり長時間冷やし続けたりすると血の巡りが悪くなりすぎるため控え、市販の鎮痛薬を使う場合は説明書(添付文書)の用法・用量を守って服用してください。


膿を指で押す・針で刺すのは控えて。飲酒や長風呂も炎症を強めることがある


ふくらんでいる部分が気になっても、指で押して膿を出そうとしたり、針や爪楊枝で刺したりするのは控えてください。傷口から新たな細菌が入り込み、かえって腫れが周囲へ広がるきっかけになります。また、飲酒や激しい運動、長時間の入浴、頬をカイロなどで温める行為は、全身の血流を促して歯ぐきの内圧を高め、ズキズキとした痛みや腫れを強めることがあるため受診前は避けるのが無難です。


以前もらった抗菌薬の残りを自己判断で飲まないほうがよい理由


以前もらった抗菌薬(抗生物質)が手もとに残っていても、自分の判断で飲むのは控えてください。抗菌薬は歯周病の治療で限られた場面に補助的に使うもので、使うかどうかは診察で決めます。歯ぐきの膿や親知らずのまわりの炎症では、熱などの全身の症状が無いときは抗菌薬が必ずしも必要ではなく、合わない薬を飲むと副作用や効きにくい菌が増えるおそれがあります。


受診の前に飲むと、症状が一時的に隠れて、診察で原因を見きわめにくくなることもあります。もし飲んだときは、予約や問診のときにそのことをお伝えください。


予約の電話で何を伝えればいい?初診で行う検査・処置と時間や費用の確かめ方

予約の電話で何を伝えればいい?初診で行う検査・処置と時間や費用の確かめ方

予約の電話では「いつから・どこが・どのくらい腫れているか」に加え、発熱や持病・服薬の有無を伝えると緊急度を判断してもらいやすくなります。初診当日は、問診とお口の中の診査、必要に応じた画像検査で原因を確かめ、まずは痛みや腫れを和らげる応急処置を中心に進めるのが一般的です。


電話の前にメモしたい5項目:始まった日、腫れの範囲、熱、薬、以前の治療


電話をかける前に、次の5つの項目をメモしておくと落ち着いて状況を伝えられます。


  • 症状が始まった時期と経過(例:3日前から腫れ、今朝膿が出て痛みが少し引いた)
  • 腫れの範囲(歯ぐきの一部だけか、頬や顎の下までふくらんでいるか)
  • 発熱や全身の症状(熱があるか、飲み込みにくさがないか)
  • 服用中のお薬・持病・妊娠の有無(お薬手帳が手元にあれば確認)
  • その歯の過去の治療歴(以前神経を取った、被せ物をしているなど)

前の受診から何年も空いていると気まずさを感じる方もいらっしゃいますが、まずは今のつらい症状を落ち着かせることが先決ですので、心配なさらずにご相談ください。


初診の流れ:問診・口の中の診査・レントゲン、必要に応じてCTで原因を確認


一般的には、問診で経過を聞いたあと、お口の中の視診や歯周ポケットの確認、レントゲン撮影を行います。歯を残せるかどうかや、根の先の状態を立体的に確かめる必要があるときは、歯科用CTやマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)での確認を検討することがあります。ただし、すべての方に必ず使うわけではありません。


その後は一般的に、状態に応じて消毒や洗浄、膿の出口を確保する処置(切開排膿)、噛み合わせの調整など当日にできる処置を行い、全身状態などに応じて抗菌薬や鎮痛薬の処方が検討されます。チェアーのモニターに画像を映して「今どのような状態か、今日何をするのか、今後どう進めるのか」を丁寧に説明します。麻酔が必要な際も、表面麻酔や細い注射針、麻酔液の温度管理や電動麻酔注射器などで痛みに配慮し、「歯科医院は怖い」という緊張を和らげる工夫が行われています。


所要時間・通院回数・費用は、原因によって変わるため受付で確認を


初診当日の所要時間は、処置内容や混雑状況によって前後します。パート勤務の早退やお子さまの送迎など予定がある場合は、予約の電話で「何時までに医院を出たいか」を伝えておくと調整がしやすくなります。また、その後の通院回数も、歯周病の処置か、歯の根の治療(根管治療)か、親知らずの対応かによって数回から数か月まで幅があります。


初めての受診での検査や応急の手当ては、公的医療保険が使えることが多いです。3割負担の場合、一般的な相場・目安は3,000円〜5,000円程度とされることがあります(レントゲンやCT、処置の内容、お薬が出るかどうかで変わります)。


根の治療のあとに自費診療の被せ物(セラミックなど)を選ぶときは、公的医療保険の対象外です。これは歯の形を整えて型をとり、人工の被せ物をつける治療です。一般的な目安は次のとおりです。


  • 治療のながさ:2週間〜1か月ほど(根の治療にかかる日数は別です)
  • 通う回数:2〜3回ほど(根の治療の回数は別です)
  • 費用:1本あたり5万円〜18万円ほど(土台や仮の歯の費用が別に1万円〜3万円ほどかかることがあります)

記載した金額や期間・回数は一般的な相場・目安であり、当院の費用ではありません。実際の費用や期間は医療機関やお口の状態によってちがい、当院の費用は診察のうえでご案内します。保険診療か自費診療かのちがいもふくめて、受付や診察のときにお尋ねください。


注意点として、切開や清掃などの処置のあとは、一時的に痛みや出血、腫れが出ることがあります。セラミックなどの被せ物には、強い力による欠けや割れ、歯を削ることにともなう知覚過敏などのリスク・副作用があります。腫れや膿がなかなか引かないときは、早めに歯科医院へご連絡ください。


大垣市内で仕事や送迎の合間に受診するときの時間の組み方


平日のパート勤務後から夕方の送迎までの限られた時間で受診する場合、移動時間を含めたスケジュールの見通しが欠かせません。大垣市内で大垣駅から車で6分ほどの場所にある当院のように、駐車場を備えた歯科医院であれば、お仕事帰りやお迎え前の移動も車でスムーズに行えます。


また、預け先が見つからずお子さまを連れて受診するときは、キッズルームや親子で一緒に入れるファミリールームがあると過ごしやすくなります。ベビーカーのまま診療室へ入れるバリアフリー設計の環境であれば、周囲に気兼ねなく受診していただけます。少しでも気になる腫れや膿があれば、どうぞお早めにお電話でお尋ねください。


よくあるご質問


Q. 歯ぐきの膿は何日で治りますか?


A. 膿のたまりは、歯科医院で切って出すことで腫れや痛みが落ち着いていきますが、もとの原因である歯の治療をしないと治ったとはいえません2。治るまでの日数は原因によってちがい、歯の根の感染や歯周病を治すには、そのあとも何回か通うことが必要になるのが一般的です。


Q. 子どもが「歯が痛い」「泣くと顎や歯ぐきが痛い」と訴えるときはどうすればよいですか?


A. お子さまの歯や顎の痛みは、むし歯や乳歯の奥歯のトラブルだけでなく、生えかわりに伴う歯ぐきのむず痒さ、食べ物の挟まり、歯ぐきの炎症、転んだりぶつけたりしたときのけがなど複数の要因が考えられます。明るい場所でお口の中を見て、歯ぐきの腫れや黒い点、噛み合わせの違和感がないかを確認し、痛みが続く場合や食事がとれない場合は早めに歯科医院へご相談ください。


Q. 歯みがきで傷ついた場合(擦過傷)と、病気による腫れはどう違いますか?


A. 歯ブラシの毛先が強く当たってできた歯肉の擦過傷(すり傷)は、ブラシが触れたときにピリッとした痛みや少量の出血があるものの、膿が出たり顎まで大きく腫れたりすることはまれです。数日たっても腫れが引かず、白い膿や嫌な味、噛んだときの響くような痛みを伴う場合は、傷ではなく内部の細菌感染が疑われます。


Q. 仕事や子どもの送迎があり、何度も受診できるか心配です。


A. 初めての受診のときに「平日のこの時間しか通えない」「お迎えの前に終えたい」といったご都合をえんりょなくお伝えください。一般的には、お口の状態を見たうえで、1回ごとの処置の時間や通うあいだかくを、ご都合に合わせて相談できることが多いです。


参考文献


1. Avila G, Galindo-Moreno P, Soehren S et al. A novel decision-making process for tooth retention or extraction. Journal of periodontology. 2009. PMID: 19254132 / DOI: 10.1902/jop.2009.080454

2. 口の中の腫瘍 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020. https://www.jda.or.jp/park/trouble/cancer_mouth.html


城山英之

歯科医師


大垣みらいファミリー歯科+kids

院長

城山英之

▶ 監修者プロフィール

経歴
歯科医師免許取得後 医療法人スワン会にて臨床研修 修了
医療法人スワン会 ミッドランドスワン歯科矯正歯科勤務
港スワン歯科矯正歯科勤務
名古屋市内の医療法人にて分院長
大垣みらいファミリー歯科+kids開院
資格・所属学会
【資格】
インビザライン認定医
ノーベルバイオケアインプラントMentor Program修了
Club GP Basicコース修了
床矯正ベーシックセミナー
Dr. Chris Farrell 講習会
Dr. John Flutter 講習会
その他多数のセミナー、勉強会等受講済
日本糖尿病協会登録歯科医
スウェデンティスト認定
イエテボリ大学 日本スクーリニング
口腔感染症予防外来認定医
JIADS会員
【所属学会】
日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
日本審美歯科学会
ESC会員
日本歯科医師会
岐阜県歯科医師会
大垣市歯科医師会
日本臨床歯周病学会